おおとね動物病院 2008.02
前橋市で計画していた動物病院の内装+ファサード工事が完成しました。
築30年近く経っている物件なので、外観は古い印象で性能的にも問題があったのですが、動物病院として再出発させるべく、イメージの一新を図りました。
軽量鉄骨の住宅部分が併設している木造の事務所部分が動物病院となりました。院長は新たに独立して開業される方で、しばらくは一人で全ての業務をこなします。そこで病院内での見通しを良くして極力死角をなくし、それぞれの機能を緩やかに連続させて、回遊性を高めるような平面計画としました。
在来木造なので、既存の壁面は残しているのですが、診察室・入院室・隔離室・トイレ以外は壁を設けず、開放的な室内となっています。
家具は角をなくして円や曲面を用いることで柔らかいイメージをつくっています。
外部は窓や外壁等の外周部分には直接手を入れず、波打つデッキ材のルーバーで覆ったファサードとすることで、既存のものを残しつつ視認性を高めてイメージを一新しています。デッキルーバーの曲面壁は、待合、受付、診察室などの壁や家具にも連続させ、外部を内部に引き込むことを意図しています。
大きなデッキルーバーの曲面壁と、柔らかく開放的な内装が、この病院と院長の特徴を現しているのではないかと思います。
物件選びで少々時間が掛かり、既存物件の状態があまり良くなかったこともあって、お話をいただいてから一年以上の時間が経ちました。ようやく完成となりましたが、地域に根ざし、たくさんの人が集まる病院になってくれることを願っています。