終盤戦 2012.08
現在宮城県小牛田で工事をしている地震で半壊した住宅の建て替えが終盤戦を迎えてきました。
東京周辺での仕事とは打って変わって都市計画区域外の広い敷地の中に建てた平屋です。
軒を出したり、平面的なつながりや分節を考えたり、風の通し方を考えたりと都会とは少し違うアプローチで設計を考える事が出来て試練でもありましたし、楽しかったです。
また、工事も現場監督不在で大工さんが現場監督という体勢でしたが、職人さんの皆さんの献身的な仕事で工事も終盤にさしかかってきました。
これから仕上工事に入っていき、一気に完成に向かっていくので嬉しいところですが、夏の終わりのようなちょっと寂しい気分も同時にあります。建具や家具の塗装などまだ少し決まっていない事もありますが、全部決めてしまうと終わりな気がするのでこれまた寂しい感じなのです。なので、決めてない（笑）
被災地に何ら貢献できていませんが、自分が良いと信じ、かつ安心して住んで頂ける住宅を最後までしっかりとつくります！工事監理の途中に構造設計者とレンタカーで海岸線をぐるりと見て回りましたが、まだしっかりとは言葉にできないでいます。流された街や、そのがれき、がれきを土が覆い、そこに生え始める雑草などの自然の力、なんだか風の谷のナウシカを思い出しました。「福島の原発で入れない地域に腐海が出来、毒（放射能）を出し始め人を寄せ付けなくなるけど、その腐海の木々は毒を浄化していた・・・」宮崎さんが考えた未来が悲しい事に現実化していることに僕は呆然としました。
この小牛田の家ですが8月末頃にオープンハウス的な事をやろうかと思ったりしますが、来てくれる方いらっしゃいますかね。東北新幹線が止まる古川駅から車で30分ぐらいの所で素敵な場所です。見に行けるよ！ってかたは是非メールを下さい。
