BLOG ブログ

  1. トップ
  2. ブログ
  3. 一年検査(回田町の住宅)

一年検査(回田町の住宅) 2009.07

一覧へ戻る

月日はあっという間に流れ、一年が経過していきます。

回田町の住宅も引き渡しをしてから一年ちょいが経過し、先月に一年検査をしてきました。
一年検査とは、暑い夏と寒い冬を経験し、その間に起こった問題点があればそれを聞いて、経年変化以外の部分は無償で工務店に直してもらうというものです。僕の更なる目的としては、実際の住み心地や、季節による風の抜け、素材の劣化具合、使い勝手などのいろいろな意見を建て主の家族の皆さんに聞かせてもらうことです。
それはこの家とともに過ごしてきた人しかわからない部分があり、設計者はあくまでも想像のなかで予想していた事と現実のギャップを埋める作業でして、それを経験として蓄積し、更に良いものを探求していきたいと思っています。
次に家が一年経つとちょっとメンテナンスをしてほしがってきます。住宅メーカーが使っているような木目を印刷して、MDFに張ったような偽物素材はあまり関係ないのですが、本物は使用状況や周辺環境によって劣化具合が変わってきます。僕が住宅で使用している本物の素材はたいていかわいがってあげないと反ったりとすねてくるのです。屋外の木、無垢フローリングから外壁の汚れなどなど、これを期に建て主さんでペンキを塗ったり、汚れを落としてほしいとお願いをします。メンテナンスして建物をかわいがればかわいがるほど建物を愛するようになります。更には、かわいくなってきた建物を大事に使うようになり、とてもよい考え方のスパイラルになっていきます。愛着がわけば、建物は長生きし、どんどん素敵になっていきます。
しかし、ほとんどの建て主さんの場合は僕が指摘する前に既にメンテナンスを終えており、「ここはどうメンテしようか?」なんて相談されるぐらいです。それはとても幸せな瞬間です。僕が定期的に訪れる事が、家をかわいがるきっかけになってくれれば良いと思っています。3年、5年、10年後としつこいですが、お邪魔させてくださいね。
家族の皆でペットをかわいがるように、家もかわいがってあげてください。間違いなく成長しますよ!

CATEGORY

YEAR