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エコキュートってエコ? 2008.01

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「オール電化」といえば住宅メーカーでの売れるための必須アイテムとなっています。その中の「エコキュート」つまり「自然冷媒CO2ヒートポンプ式給湯機」についてひねくれてみようと思います。エコキュートとはどんな物かはこのサイトとかを参照してください。
まず、イニシャルコスト(導入費)は35万ぐらいするので性能が一番良いガス給湯器の倍程度はするのですがガスの基本料金を払う事を考えると取り戻せるようだし、「エコ」だと宣伝しているし、二酸化炭素も出さないでクリーンだというし、いい事尽くめのようです。確かに空気からエネルギーをもらったり、エネルギーを変換させる効率が高い(ロスが少ない)のでよく出来た商品と言えると思います。しかも国がエコキュートを買うと助成金を出してくれるので、そりゃ家作るときは「エコキュートで」とよく要望されます。実際何件も図面にそのように書いて、実現させています。
いま普及率が高くなっていますが、なぜこんなに爆発的に売れたのかというとまず商品に「エコ」を付けて、イメージとしてもエコを前面に押し出しつつ、月々の光熱費が安くなるということにつきると思います。やはりお金がかかる「エコ」や、苦しさや我慢を伴う「エコ」は結局浸透しません。「エコ」はまず「お得」でないといけないわけです。その点においてはすばらしい商品を開発したと言えます。
それなのにあえてひねくれます。
まず、本当に「エコ」か?二酸化炭素は出さないか?ということです。
これはよく言われている事ですが発電レベルからお湯が出来るまでと考えると特にエコでもないし、二酸化炭素も出します。エコキュート単体で考えるととっても高効率で、二酸化炭素も排出しませんが、その動力となる電気の発電時は二酸化炭素も出しますし、送電線で電気を送るときにかなりロスを起こすようです。
例として東京電力はここを供給範囲(営業範囲)としていますが、発電所は実に様々なところにあります。よく見てみると、供給範囲外のところにも発電所があります。もっと良く見るとそのほとんどは原子力発電ですし、更には青森にまで原子力発電所を作ろうとしているようです。遠くの発電所で作られた電気は一切地元にはその電気を供給せずにすべてサービス範囲に送電線を使って送っているというわけです。当然都内に原子力発電所なんて作ったら苦情が大変なことでしょうし、かつ土地代と電気代のバランスがとれなくなってしまうのは容易に想像できます。そんな経済事情から電気は地方で作られ、すごい電磁波をまき散らし、またロスをしながら関東圏に運んで来ているという訳なのです。(もちろん東京電力は地方発電所付近に廃熱利用プール施設作ったり、雇用が確保できたりして、ある程度は共存しているとは思います。)
こんなふうに考えると各家庭でお湯を沸かすところで高効率でも発電するときの効率や送電するときに効率が悪ければ簡単に「エコ」とは言えなくなってきます。同様に二酸化炭素も火力発電時に出していますしね。
このあたりの言い分は東京ガスが真っ向から勝負しているのでこのサイトを見てください。そのページの中でおすすめはQ&Aですね。
その後東京電力のQ&Aを見てみてください。エコキュートのQ&Aはこちら。
それらのちょっと偏ってるのでは?という意見を踏まえて、割と冷静に分析されているサイトのこことかこれを一読する事をお勧めしたいです。
個人的にお湯を沸かすという点から考えると二酸化炭素を出す場所の一極集中や送電ロスを考えるとガスの方が良いと思ったりします。(いまは潜熱を利用したりするのでエコキュートには負けますがガスはかなり高効率です)というのは、ガスは給湯器で具体的に燃焼し、二酸化炭素や若干の匂いを発生させます。それが電気の発電所のみで一極集中させて他人に押し付けているのはなんだか不公平に思えるからです。自分が使ったお湯で出た二酸化炭素や匂いは自分敷地内や周辺で責任とりなさいと。また、ガスは配管さえすれば配管ロスもないし、地中配管ですが、電気の巨大送電線は嫌な感じです。また建築家としてはあのエコキュートの貯湯タンクは大きすぎて美観的にきつく、どこに配置するかとってもとっても苦労します。といいながら、僕が買うならエコキュート。だって光熱費下がるんでしょってね。
結果一概にどれが良いとは言えないのですが「一概に言えない」という事だけでもわかっておくと良いのかなぁーと思っています。ちなみに上で紹介したサイトは究極は「太陽熱温水器」という結論でしたよ。
次回はオール電化のIHについてひねくれてみます。

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