建てない建築家!! 2014.12
「建てない建築家とつなぎ直す未来」
美術手帖 2015年 01月号の衝撃的なタイトルです。
正直キャッチーで狙い過ぎており、「建てない」には違和感ありますが、オンデザインや西村佳哲さん、安宅研太郎さんが載っていたりしたのと、たまたま立ち読みする時間が無かったので思い切って購入しました。
最初の編集長の文章にある
「東日本大震災のときに、国や自治体と言った行政から建築家にはほとんど声がかからなかったという。これは今の日本では建築家の職能が「建築の設計」だけと思われており、「社会の課題を見つけ解決する」能力に誰も知らなかったからであろう」
という指摘はまさしくそうなのだと思った。それを変えて行こうという人たちが紹介されていますが、私自身もゆっくりと建築家の職能を知って頂くような活動をしなければならないと改めて思いました。
私が多摩美(上野毛)で助手をしているときに上記の西村さんと榊原晏さんと一緒に「プレデザイン」という授業をしたことを思い出します。これは美大と言えど作ることの技術だけを教えるのだけでは良くないので、作る前に考えなければならないことを一緒に考えようというワークショップ形式の授業でした。「なぜつくる必要があるのか」「何をつくるべきなのか」というように課題を発見する能力を少しでも考えながら身につけようと言うものです。
BTのタイトルに似ていますが「作らなくても良い」(「作らない」ではない!!)という結論もふまえながらデザインを学ぶことの重要性を一緒に授業に参加させて頂きながら私も生徒のように噛み締めまたものです。
残念ながら学科がなくなってしまったので1年生の最後の授業であるこの授業(ワークショップ)はもう行われていないと思いますが、またどこかで続けて欲しい授業ですし、私もどこかでこの授業を小学生から社会人までに行っていけるといいなぁーと思いました。
考え方の訓練という側面も強いので、自分の将来や自分の仕事をどうしていくのか?ということにも必ず役にたつ内容ではないかと思っています。