メディア掲載 楽待のコラム(4回目)が公開されました! 2024.02
「楽待」のコラムを更新しました。今回は地震についてです。建築設計に携わるものとしてはこの件に触れないわけにはいきませんでした。タイトルはすこし挑戦的ですが、
「地震で絶対に倒れない家」は諦める、という考え方が必要ではないか
です。現在の地震により「耐震等級3でなければならない」、またそれが発展して「古い耐震基準で作られているような既存不適格建築物はよくない」という風潮が少しずつではじめているようです。もちろん古い隣の家が倒れてきたおかげで自分の家が潰れてしまったら怒りの感情が出てしまうとは思います。がしかし、どこかで重ねてきた歴史とともに生きることを受け入れることが必要な気がしています。私達が地震を受け入れざる得ない、隣の家が火事で自身の家が燃えてしまっても寝タバコ等でなければ損害賠償請求できないのと同じです。
日本はどちらかというと「壊して新しく作る」という文化でした。それは多湿でシロアリがいて、地震があるなかでの木造であれば致し方のないものです。多様な歴史のなかで重ねてきた町並みを尊重しつつ、古いものを壊さないで修繕しつつ、永く使い続けていく文化・技術を発展させていかなければならないのでしょう。
耐震性能が「正義」になってしまってそれが総ての価値を超えるものとなってしまっては、風土や日常が疎かになってしまわないかと思ったのです。
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