青森県立美術館 パート1 2005.09
青森県立美術館に行ってきました。
青森県にいくのは初めてなのですが、2泊0日での強行日程で無理矢理行ってきました。えーっとそう、深夜バスでの往復です。だいたい乗車時間は9時間から10時間ということで、寝汗の量も倍増でした。
寝てはいるけど、身体は休まっていないという感覚で青森に着きました。
青森駅は駅前にビルなどが少なく、空が見えて気持ちいいです。海や橋や自然に囲まれている感じが駅前で味わえるのはなんだか幸せです。ちょっと大きなビルが駅徒歩1分の所に建設中でしたが、マンションという何とも悲しい事実も見ながら駅をレンタカーで出発しました。
市場で海鮮丼(おいしかったぁー)をたべて、元気を回復しつつ安藤忠雄さん設計の国際芸術センター(良かったです)を見て、温泉入ってから、目的地の青森県立美術館に行ってきました。オープンは2006年7月ですが建築関係者向けの内覧会で、300人も建築業界の人が全国から集まったそうです。
少し概要を。
6年ほど前に行われた国際コンペで伊東豊雄さんが審査委員長。過去のコンペの中で最大応募数だったという中、見事勝ち取ったのが青木淳さんで、5年強の年月が経ち、完成に至ったわけです。約110億、15800ヘーベイという規模ですからそりゃ5年かかります。
三内丸山という日本で最大の縄文遺跡に隣接する敷地に青木さんは「トレンチ」という展示空間を提示しました。地面を掘り、タタキの床と土で固められた壁で囲まれたところに、白の人工物をつり下げることで挟まれる空間を提示し、様々な空間を作り上げようとするものでした。
そんな少しの前情報を元に、2時間半にわたり青木事務所の所員に引率されながら美術館の中を見て回りました。僕が体験した中で一番大きいのではないかという広大な展示スペースでなんだかとても疲れました。
まずは外観から。
外観はカーテンウォール(構造とは関係のない壁)方式にてブロックが積まれ、吊られています。本物のレンガは白く塗りつぶされ、大きな外観全体がそれで囲まれています。窓は少なく、なぜかアーチ状の窓が「ぽこっ」と唐突にとってつけてあります。メインとなるエントランスはなく、いろいろな場所から美術館にアプローチできるようになっているようでした。(全部で7箇所程度あった気がします)そのため、裏はなく、どこが正面といった概念はなく建築は作られていました。
雪の中ではどんな存在感を示すのか楽しみですが、外観そのものは均質なため内部空間を暗示させることはなく、単なる覆いとしてあるという感じでした。
それもそのはず青木事務所の説明では「外壁、構造、設備、内装は完全に分離するようにしている。」ということで、外観が内部や展示などと関係なく独立してある印象を受けました。
しかし、なぜ分離する必要があるのかは全く説明されませんでした。この辺が青木さんのするっとすり抜けていく感じが外観からも伺えます。
こうなると内部が更に楽しみです。(次回に続く)