名古屋名鉄セブンに 2005.09
名古屋駅から歩いて5分ぐらいの所にナナちゃん人形がある名鉄セブンという百貨店があります。その5階に「うみ」というお店(アパレル)が新規オープンしました。代表ブランドは「ちきりや」です。僕たちが設計しはじめて4店舗目のインテリア設計です。
毎回のことですがかなりローコストを突き詰めていて、分離発注などをいつもは駆使しています。今回は百貨店サイドからもある程度改修費用がでるのでその中の金額でできるところは業者にやっていただき、その他は自ら施工で、ホームセンターにある既製品を如何に組み合わせるかといった状態です。どうしても予算だけは最低限の床、壁、天井、照明で一杯一杯なので、わずかの残り金額で如何に安く楽しむかが僕たちの大きなテーマです。おかげでコストについてはいろいろと勉強になっていますね。
その中でも毎回ちょっとは新しい試みをと考えています。
このお店は「現代の僕たちが感じる日本らしさ」をテーマに商品展開しています。それにあわせてインテリアも考えていこうとしています。外国人がタタミを見て床材と思わずに壁に使ってみたり、色を塗ってみたりするとか、違い棚の大きさや使い方を間違えるとか、新しい感覚で過去のアイテムを見直していこうとしています。ついつい偽物のアンティーク調にした木を多用し、いんちき民芸に仕上げがちですが、あえて白の壁にオブジェのように昔からのアイテムがちょっと変わった形に使われているように心がけています。特に木を使わないようにし、エッジの鋭い鉄とタタミをメインに使っています。どうせならまねした偽物ではなく新しい和の提案が少しでもできたらと考えています。
今回は「ミニ衣桁」。
「衣桁」はご存じのように着物を飾り、保管するものですがそれをスモールライトで小さくして手ぬぐいや小物を置く台としました。しかも鉄で。厚み4.5ミリの鉄板で、黒皮という水で洗う前の鉄板をレーザーで切り抜いて同じもの2枚を丁番でとめて完成という大変簡単なものです。
レーザーで切り抜くだけなので、データーさえ作ればあっという間にできてしまいます。溶接がいらないので手間が少なく、精度もかなり高いのでこの技術はすばらしいです。スケールを小さくすると、部材の厚みも小さくしたいのですが強度を考えると無理ということが多いのですが、鉄はそれを可能にしてくれます。木は限界がありますし、サイズが小さいほど値段が上げっていきますし。
2枚の板の開き角度を変えればアクリルの角度も変わるので斜めに商品を見せたり、平たく見せたりできるようになっています。
インテリアはまだまだ僕の力不足で中途半端な感じは否めませんが、商品も好きな人は好きなのでお近くの際は是非お立ち寄り下さいませ。