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パート2 2005.09

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では内部に入ります。

メインエントランスであろう場所に入りました。吹き抜けが象徴的であるもの、平面的には広い場所ではなく、受付の方がいるであろうカウンターも非常に質素であることを主張するように意図されたデザインとなっており、権威的なものや正面性が否定されています。

地下に展示室があるのでエレベーターで地下におります。なんだか地下に降りるという行為そのものは探検隊みたいな感じでどきどきわくわくするものです。楽しみーと興奮気味です。
エレベーターの扉が開くと「うぁー」すごい吹き抜けと広々とした空間に感動です。余談ですがEV降りた正面にはいかにも権威的なカウンターがどんと木目突板家具があり、なんだか地上の質素なカウンターと逆になっていました。
地面は土のようなしっとりした質感の床(何でできているか不明でした)、壁は茶色の外装吹きつけ材のような壁、地下なのに明るい空間、正面には白い大きな壁があります。本当に純白の白なので明るい印象があり、地下であることを忘れさせます。
とにかくスケールが大きい空間で、天井の高さは10メーター程度はありました。
表現として土を掘って作った空間をそれとわかるように、土色の壁と床となっており、負の空間であることが表現されています。そこに人工物の象徴として真っ白なホワイトキューブが交互に挿入され、空間に濃淡が作られています。ホワイトキューブの中にはいるとそこは壁・床・天井全て真っ白です。ホワイトアウトという現象で床、壁、天井の境目が曖昧になっています。

当初のコンセプト通り人工物のホワイトキューブは吊られ、掘られてできた土の空間との隙間が展示空間となっているかというと・・・全くなっていませんでした。(涙)
ホワイトキューブは15センチ程度浮いていたりする所もあるのですが実はフェイクで、奥で接地していたり(でも奥を覗くと鏡面のステンレスみたいなものが貼ってある)しています。よく考えると全く地面が凸凹していないためホワイトキューブと土の間(上下の関係での)の空間が様々に変化しようがないわけです。平面的にはもちろん土壁が見えたり、白壁が見えたりと交互の隙間空間ができているのですが立体的には特にないような感じでした。

僕は地下の特性として彫刻的な削る行為としての空間特性を体験するのを期待していたので、ちょっと興ざめでした。これならば地下である意味が少ない気がしたのです。もちろんバリアフリーであることを考えると床を凸凹させるという行為は結局はできないという問題もあったのかもしれません。

とはいえ、全く外が見えない広い空間を歩いている感覚は不思議なもので、当然自分のいる位置がよくわからなくなってきます。土の壁、白の壁が前に見えたり、右に見えたり、中に入ったり、要素(素材)がそれだけで、かつ今回の内覧会では展示品もないため迷路感覚です。

その他気になった点はありました。
トイレや非常階段、エレベーターなどどこを取ってもきっちりとデザインしてありました。デザインというか、通常納まりではないということで、隙がない感じがしたのです。施工誤差を許容する納まりは基本的に排除され、既製品はほとんどないように隅から隅まで配慮されている徹底ぶりが気になりました。
もちろんそれぞれが統一されているというよりも、それぞれが勝手に担当者ががんばっているという感じです。青木さんの「現場は担当者任せ」という雰囲気が伝わってきました。

次回に続く・・・

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