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認知科学会 2004.10

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認知科学会(http://www.jcss.gr.jp/)という学会があります。学科なんて聞くと「わたし関わりがない」という方ばかりかと思いますが、世の中には実にたくさんの学会があります。驚くべきほど細分化されており、関わる場所が用意されていないのできわめて閉鎖されている社会といってもよいでしょう。
そんな中、ひょんなことから1年前のこの時期に諏訪正樹さんという中京大学の先生に誘われ認知学会の勉強会、発表会に参加することになりました。というのは久方ぶりに雨が続いて事務所まで電車で行くときに何か読むものはないかということで、認知学会の梗概を改めて読んでみたので、なんだか書いてみたくなったのです。
その勉強会等では「創造という行為(生きているだけでみな創造をしているのですがここでは特にデザインとか芸術とか)はどういったきっかけやプロセスを経て生み出されるのか?」を考え、最終的には「デザイナーを育てるための教育方法とか、よりよい創造をするための訓練とか、方法論を見つけだしたい」という目的があります。
確かにHOW TO本のようにフローチャートにのって問題を解いていけば素敵なデザインができるという方法論は確立されていませんし、それは決して伝えられないものだという風潮がありました。「弟子に入って親方の背中から学ぶもんだ」的世界でどちらかというと闇に葬られていたところです。
ところが最近はものづくりの方法論を説く人も多くなってきていますし、「デザイン言語」というデザイン独特の言語があり、それらは記述可能だという人も出てきています。(慶応藤沢キャンパスの授業であり、本となっています)「KINO」「ポリンキー」「ピタゴラスイッチ」などを作っている佐藤雅彦さんは、わりとそういった過程に関する授業をしてたりしますよね。
ぼくもものができあがる過程というものに大変興味があります。
「神からの啓示で突然素敵なアイディアがうかんだ」
なんてことはないわけで、何らかのきっかけや土壌があるはずです。
ぼくはその勉強会では、「私が住宅を設計する際にどうやって最終的な建築になっているか」ということをなるべく記述しようと試みました。正直とてもつたない文章で、読み返してみて赤面なのですがあれから一年、また最近のプロジェクトでも記述してみようかと思っています。
このような自分で自分のことを客観的に記述することを「メタ記述」というそうです。
イチローはよくその「メタ記述」をするそうで、客観的に自分のフォームを把握することで、自分の肉体をコントロールしているのではないか?と。
そんなわけで、メタ記述ごっこしませんか?カラオケがうまくなりたいとかそういった要望があれば、今日歌った歌はどうだったのか振り返って記述してみるのです。それをし続けることが大切なのですが、ひたすら記述し続けるのです。「なんでおいらこんなことしたんだろう?」ってね。
そんなことを繰り返すといろんなことが意識的になるというか、あつかえる神経が増えて耳まで動かせるようになったという感じで新しい感覚が生まれるかもしれません。
ちょっと視点を変えてそんな風に生活を送ると楽しいかもしれませんね。
そうそう、こんな小ネタ知ってます。
NHKの番組でやっていたのですがベルトコンベヤーで家電製品の組み立てをやっていたのですが、何とかもっと生産効率を上げられないかと考えたそうです。いままで一人の人間は一つの動作を何度も繰り返す工程でした。それを一人で複数の工程をし、家電製品を最後まで全部作り上げるという「一人屋台」方式にしたらなんと生産効率が上がったそうです。
つまり流れ作業としてのマシンではなく、全部やるというやる気によって人間のパワーは更に引き出せるわけですね。
すげぇー

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