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台湾建築散歩(初日)  2016.10

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毎月建築をみることに興味がある方を募っておこなっている建築散歩の特別編がはじめて海外へと飛び立ちました。2013年の日帰り群馬、2014年は一泊で山梨・長野、2015年が二泊で高松・直島ときて、2016年は三泊で台湾となり、文化や風土の違う所での建築を皆さんで見てくることが出来ました。
特別講師として、台中に2016年9月にグランドオープンした台中國家歌劇院(台中国立オペラハウス)の伊東豊雄建築設計事務所所員として5年半常駐していた佐野健太さんに帯同して頂きました。

 

初日は朝早く羽田を飛び立ち、お昼前には台北に到着です。台湾と言えば「食」ということで日本でも小龍包のお店として有名な「鼎泰豐」の本店に行きました。(新宿高島屋にある鼎泰豐は海外初出店のお店。今や世界10カ国110店舗以上あるとのこと)ここだけがすごい行列と人口密度で、様々な言語が飛び交っています。予約していたので人混みをかき分け中に入ると、すぐに大きなせいろがどんどんと運ばれてきました。肉汁あふれる小龍包を堪能しました。

その後青田街に移動して初日の建築散歩の始まりです。ツアーですと修学旅行のようにバスで目的地から目的地への移動となってしまいますが、そこは建築散歩なので町並みを見ながらの歩いての移動です。異国ではありますが、どこか懐かしさを感じるのはここ「青田街」は日本が台湾を統治していた時代の日本人が住んでいた和洋折衷の日本建築が多く現存しているからです。それがうまくリニューアルされカフェなどとしていかされており、日本でのリノベーションブームはここ台湾でも流行しているようでした。
道を歩きながら集合住宅などを見tり、道を歩いていると気がつくのは植物のパワーです。集合住宅のベランダは沢山の植物の緑があふれ、どんな隙間もプランターで埋め尽くされています。また街路樹は5階建てを超える程度に成長し、青々と葉が茂っています。その日は小雨だったのですが、緑がより映え町並みを重要な要素となっておりました。日本では緑は脇役という感じですが、ここ台湾では緑こそ主役という感じで自然がもつパワーを感じながら、周辺を散策しました。

ちょっと歩き疲れたので中国茶を堪能する為に隠れ家のような茶芸館「小慢」さんで休憩です。集合住宅の一階が増築されており、中に入るとほっとするような古民家の内装です。アンティークの家具や小物が厳選されておいてあり、ハイセンスです。このまま日本に持って行っても間違いなく人気が出るような内装でした。ここで、お茶の入れ方を学びながら各自で1時間以上ゆっくりとお茶を楽しみました。

ちょっと休憩をしたので、歩いて「台湾大学」に移動し、台湾大学社会科学部棟(伊東豊雄建築設計事務所設計)に到着です。佐野さんが事前に訪問のお願いをしてくれていたので、職員の方に丁寧な解説をして頂きながら、平屋の図書館と8層の教室棟内部をゆっくりと見学することが出来ました。


まずは図書館です。樹木のよう88本の柱は特殊な幾何学に沿って配置されており、柱の密度で空間の濃淡をつくり出していました。トップライトと間接照明で柔らかく包まれるような光環境、曲面で構成されているヒューマンスケールの本棚は不思議な柔らかさを持った、暖かな感じがした落ち着く図書館空間だと感じました。自由な幾何学がもたらす空間は自然とずっと居たくなるような図書館となっていました。


高層棟はコンクリート打ち放しの細い柱と梁で出来たシンプルな構造でしたが、施工精度も良く、美しいプロポーションを持った建築となっていました。三階部分には向こう側の景色が見通せるように大きな穴が空いており、8層という壁感を緩和しています。この屋外吹き抜けにより空気が循環するなど、台湾の気候をふまえて温熱環境にも配慮されているとのことで、今の時代の発想もきちんと取り入れられています。屋外吹き抜けの三階部分は緑化された庭園となっており、そこも見学させてもらいました。その他教室も拝見させて頂いたのですが、様々な空間の溜まりに学生が集ってお茶や勉強をしたりとうまく使われている様子は同業者としてはなんだか嬉しいものでした。


ゆっくりと見学させて頂いたらもう周囲は真っ暗です。一度ホテルに戻って初日は解散です。本日の夜は各自自由行動でした。

 

二日目に続く!!

 

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