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南阿佐ヶ谷 2005.06

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先日あるイベントで南阿佐ヶ谷にある象設計集団のドーモ・アラベスカに行って来ました。個人住宅ですが相変わらず力強い建築です。内部の有機的な造形はつくり手としては敬遠してしまいがちでしたが、その居心地の良さには感心しました。まさかと思っていたら木造らしいし、なにより楽しい空間でした。
そのアラベスカにお邪魔する前に周辺をちょっと散策してみたのですが、おもしろいところを見つけました。公団阿佐ヶ谷住宅です。細い私有地らしいところを抜けると突然緑に囲まれた低層のテラスハウス群が現れます。各棟はアプローチに共同の庭を持っていて、まるで映画で見るアメリカの郊外住宅のような趣です。テラスハウスですから各棟に数世帯が入っているのですが、それぞれが自分の領域を主張するわけでもなく、塀で囲われたりすることなく、緑豊かな環境を皆で共有しています。持ち家主義、土地至上主義が横行しているこの日本ですごく新鮮な景色です。半分くらいは空室になってるなあ・・・住みたい!といってもどうやら現在は入居を受け付けていないようです。
阿佐ヶ谷住宅はすでに築後50年近く経っており、その建て替え計画がある一方で地域住民の反対運動があるようです。テラスハウスの設計は前川国男氏。さすが。細かいところにもデザインが行き届いてます。単純な保存には意味がないと思いますが、ここに根付いた理念や環境を守るということは是非ともやってほしいと思います。ぼくらが勝手に計画建てようかな・・・。
バス停がものすごく短い間隔で並んでいたり、お庭にブランコやベンチがあったり(既に廃墟化してるけど)、なんだか不思議の国に迷い込んだかのような体験でした。偶然でしたがうれしい発見。

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