三重大学 学製展2011 2011.09
2011年10月7日(金)から9(日)まで三重大学建築学科の4年生有志によって卒業設計作品を三重大学内のレイモンドホールにて展示をするようです。その最終日の13時から17時頃まで講評会があるのですが、それに講師として参加させてもらう事になりました。
お近くの方は遊びに来て頂けると嬉しいですね。ちなみに、このレイモンドホールというのは昭和初期に沢山の近代建築を設計したアントニン・レーモンドの設計です。
チェコ出身の建築家でして、フランク・ロイド・ライトのもとで修行し、帝国ホテル建設の際に来日して、そのまま日本で設計活動をおこなった人です。前川國男、吉村順三、ジョージ・ナカシマなどの建築家がレーモンド事務所出身です。日本人建築家に多大な影響を及ぼした人です。古いけどなんだかかっこ良い建物だなぁーと思ったらそれがレーモンド設計だったということもあると思いますよ。
この建物自体は僕も一度見に行った事があるのですが、すぐ見てにすごい!と感じるようなカッチョよい建物ではありません。元々は1951年(昭和26)に図書館として作られ、大学の移転に伴って、移築され用途がどんどん変わっていったようです。
どこがすごいのかというとマニアックな部分でして「ただ者ではないな!」とかんじさせるいぶし銀のような部分です。まず、外観としてやたら硝子が多い事にマニアな貴方は気づくでしょう。地震とかがある日本でこれだけの硝子面を持つ木造建築はあまり無いので、それだけで自由な雰囲気(新しさ)を感じさせます。内部に入ると規則正しい構造架構が見えますが、それが全て丸太で構成されています。通常は製材されて四角の木材を使うのですが、ここでは丸太がそのまま使われています。理由は僕は知りませんが、ある種の新しさの表現なのかもしれません。そして斜め材が多用されています。日本建築では美的な概念からか斜め材がほとんど用いいられていないのですが、構造的には斜め材は非常に合理的です。よってレーモンドは最小部材で効率の良く空間を構成する今までの日本建築に無い骨組みがここに提案されているのではないかと思います。
実はレーモンドはこの丸太構造にどんどんはまっていって、丸太構造を見せた住宅や教会などを沢山設計しています。