ダイキンの勇気 2009.10
日本一の売り上げを誇るある家電量販店にはエアコンや空気清浄機メーカーのダイキンは取り扱っていません。エアコンシェアのNO.1とかNO.2とかのメーカーを扱わないなんてびっくりですよね!
どうやらダイキンがあまりにも安くしろとかいう家電量販店の圧力に嫌気がさして、「売ってやんない」、「卸さない」という結果に落ち着いたようです。
もう1年ほど前になるのですが、空気清浄機を買う為にヤマダ電機に行ったらダイキンが置いてないのです。そこで店員に「ダイキンは置いてないのですか?」と訪ねると、「はい、ちょっと上の方で諸事情がありまして・・・・・取り扱っていないのです」とお茶を濁した感じで言われました。
そこで、それを思い出してネットでググったら、上記のような事がたくさん出てきました。日経ビジネスに記事としてもあったようです。
家電量販店のメーカーへの凄まじい影響力(圧力!)は新聞報道で明らかですが、結局は売って欲しいメーカーが家電量販店の言いなりにならざる得ない状況は変わりありません。
そんな中、売る側の論理を押しつける「家電量販店」を「ダイキン」が突っぱねるには相当な勇気が必要だったでしょうが、それをやっちゃった訳なのです。かっこいい!かっこ良すぎる。
他のメーカーは追従していない訳ですが、sonyやpanasonicさんとか勇気を出してくれれば、世の中が変わると思いますし、良い商品が開発されてくると思います。このまま価格の叩き合いの負のスパイラルに乗り続けるのですか!
生産者は商品を使う消費者をむいて商品をつくると思うのですが、現実は家電量販店をむいて商品を作っているのです。実際、量販店の店頭に赤札に激安と書いて目立つ位置におけば、商品の善し悪しに関わらずバンバン売れてしまうのです。よって、売る側から「もっと目立つようにして」と言われれば、家電メーカーのデザイナーは渋々従う訳です。あの広告と赤札だらけの非日常空間で目立つ商品が、自分家に来て、インテリアとしてみたら・・・・怖いです。
私たち消費者も安ければ何でも良いではなくて、きちんと良い物を自分で見極める力を養なわなければ、量販店の強引な理論を推進している事になりますよね。
家電のインハウスデザイナーには、きちんと消費者を向いて良い物を作りたいけどできない人たちが多いので、ここから変えないといけないと思いますね。
次にダイキンはもう一つかっこいい事を初めている予感がします。
3年ほど前に発売されたUXシリーズといった外観がかっこいいエアコンを廃盤にしないで販売し続けています。
一般的には新商品が出たら全部入れ替え、旧機種は廃盤にするのが日本家電業界ですが、いいデザイン物を長く残そうとしてくれているのです。(きっと)
決して売れている訳ではないと思うのですが、会社の姿勢として良い物を残しておいてくれているのは嬉しい事です。
欲を言えば、5年に一度ぐらいの頻度で外観を変えずにエネルギー効率をあげるように中身をアップデートして欲しいですが。
しかし、ダイキンもほとんど中身が変わらない新商品を毎年出し続け、年に何度もカタログを新しく印刷しまくり、コマーシャリズムに莫大なお金を投資しています。
こういった広告費は「商品そのものが良い」とは直接関係ない部分ですが、販売価格の上昇には大きく関係しています。
ダイキンさん。是非とも勇気を出して、外観デザインの変更は4年に一度(中身の更新は二年に一度更新し、一度は同じ外観デザインとする)、カタログも年に一度ぐらいにしてみせんか?莫大なコマーシャル費を減らして、通常の倍の時間と予算をかけてエアコン業界をあっと驚かせるような商品開発、商品デザインをやってみてはいかがですか?
作る側が売る側の強引で非人間的な論理につきあわなくても、いい物であれば消費者がついていきます!そう信じたいですね。