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イームズ入門ーチャールズ&レイ・イームズのデザイン原風景ー 2005.03

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イームズ入門-チャールズ&レイ・イームズのデザイン原風景-という本を読みました。途中まで読んでいたのですが引越でなかなか発掘されずやっと最後まで読めたという感じで購入してから結構な時間がかかってしまいました。
イームズはご存じのように近代の建築・家具・展覧会のアートディレクターとして活躍をした夫婦です。イームズの椅子に座ったことがある人はそれと知らなくても結構多いのではないでしょうか?日常生活の中にきちんと浸透し、かつ使い続けられているデザインを作った数少ないデザイナーの一人です。デザインを志す人にとってそれは一つのあこがれる出来事ですよね。
そんなイームズ夫妻の伝記的な本で、孫であるイームズ・デミトリアスによって書かれている本ですが単なる伝記ではないところに僕は感銘を受けました。単純に何をデザインしましたということを羅列することなく、何がデザインしたかったのか、どうデザインされていくのかということが積極的に書かれているのです。デザインには思考・思想がある。僕はそれを信じているし、信じたい。イームズ夫妻がどんなことを考えながら、苦闘しながら結果としての「もの」を生み出していったのか?そんなことがすこし垣間見ることができた気がします。本の帯には「「20世紀の座り方」を変えたふたり」と書かれています。そう、彼らは椅子をデザインしたのではなくて椅子にまつわる経験をデザインしているのです。
筆者はこのように書いています。「座った後に目にするもの、室内の様子や、室内の画面に映し出される映像を変えた。彼らは変化を生み出し、変化を予見し、ひとつの方向を示した。芸術と技術が手を結び、伝統が変化の足がかりとなり、専門的な知識が楽しく学べる、そのような道を示した。 」
確かにそのモダニズムの頃の時代はデザインという物を加速させるような雰囲気(時代の要請)があったのでしょう。そんな時代の中でイームズ夫妻は「こうあるべきであろう」という未来を見ている信念のもとに猛烈にあらゆる物を作り続けているダイナミックな感じを感じながら読んでいました。
大学で「建築は都市をつくり、都市は文化をつくるのだ」と教わり始まった僕の建築設計人生。イームズに追いつけるようがんばらないとね。こりゃ大変ですぜ。

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