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「ただ」との争い 2004.09

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営業設計について考えてみます。
私たちは基本設計中に断られてもその報酬を10万円前後いただいているのだが、「ご提案は無料でさせていただいております。」というところもあります。それに比べれば僕たちのいう10万というのはすごく高いと感じるのは当然かもしれませんね。
でもちょいと考えてみていただきたいのです。ただほど高いものはないのではないかと・・・
もちろんただで提案するところも一生懸命がんばるし、いろいろな人間が動くので、経費は発生している。大きい会社であればあるほどその値段は大きいであろう。僕たちは少人数なので小回りの利く軽トラックだが、相手はダンプカーなだけ燃費は悪いはずです。なのになぜ、無料なのか?
答えは「その分を他の所で稼いでいる」からです。
たとえば5つの物件を提案して4つはだめで、1つ仕事がとれたとします。4つの提案のために使った人件費などの経費を100万として、それをリカバーするためには・・・・もちろん仕事がとれた1つの物件に100万円をのっけるのです。
「なんでおいらの物件に他の4つの提案経費をのっけるんだ」となってしまうのが、これこそが日本的世の中のまわりかたなのです。
それを避けるため僕たちは最低限の経費として10万をいただいています。儲からなくても最低限経費だけもらっておけばそんなことすることはなく、それぞれの物件で収支は完結してくれるからです。
10万が高いか安いかですが、その判断は難しいですが決して高くはないと思います。
という私たちも実は同じ穴のムジナ。図面を書いて各施工会社に見積書を作ってもらう。住宅であっても2週間ほどかけて30ページ以上はある見積書を作り上げてもらうのだ。そこで、他社より施工金額が多ければそこでおしまい。1円ももらえないのである。これもおかしいとは思う。5万でも払ってしかるべきだとは思いつつ毎回施主に話せないでいるのが現状です。ただ、見積もりをお願いしたとき工務店のひととお会いして「ちょっとやりたくないなぁーこの仕事」というオーラを出す人がいるのですがその人には無駄な能力を費やしてしまうことになると思うのでなるべく早く断りを入れるように心がけている。
まあ、1万でもいい。「ただ」ほど怖いものはない。たとえ1万でももらえば悪いことしてはいけないとか思うだろうし(談合とか)、手を抜けないとか、評価していただいているとかきっとがんばると思うんだよね。
アメリカみたいに電話で相談したら請求書が送られてくるとまでつきつめる必要はないけど、やはりプロに頼んでいるのであれば少しでも払っていく方が実は健全ではないだろうか?
金銭面がすごく不透明な建築業界。すこしづつクリアにしていきたいなぁー。

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