D社で働く従業員の福利厚生の一環として、男子ロッカールームのリニューアルとリフレッシュルームの新設が求められました。既存は簡素な仕上空間に灰色のロッカーが置かれており、薄暗く、無機質な空間でした。そこで、全体の中で壁面よりもおおく垂直面を閉めるロッカーの色を白色をベースとし、扉は所属分けした原色のものを既製品より選定しました。また、隣棟の大浴場を使用した後に使用するタオル掛けがロッカー付近に点在していたのを、集約して壁側に集め、かつ干している姿が極力きれいに見えるよう整然と並ぶような什器を制作しました。
使用していないロッカーを整理したり、配置を再度検討することで産まれた余剰空間にはリフレッシュルームを新設しました。利用者である従業員は様々な年齢やグループがあることを考慮し、少人数でも憩えるような異なる4つ小さな空間を用意しました。具体的には「畳の間」「机と椅子の間」「カーペットの間」「マッサージの間」であり、それらを緩やかに区切る壁は空調が循環し、かつ閉鎖的になりすぎないよう企業に関連した形状にくり抜いている。
素材は既存と逆である有機物(木材やイグサなど)を極力使用し、間接照明を採用することでリラックス出来るような空間を目指しました。
仕事の合間や帰宅時に利用する際、少しでも明るい気持ちになったり、リフレッシュできる場所となることを期待しています。