駒沢の住宅地に建つ築60年を超える戸建住宅の構造を含めた大規模改修。建物は施主の両親が建てた平屋から半世紀以上に渡り2階も含めて増改築が重ねられ、小部屋が複数ある複雑な間取りとなっていました。また、築年数故に断熱性がないに等しく、構造的にも多くの不安を抱えている状態でした。さらに、旗竿形状敷地のため四方を隣地建物に囲まれ、一階部分の日当たりが悪く、家族が皆で過ごす場所は日中でもかなり薄暗い状態でした。
そこで構造設計者と現場調査を綿密に行い、年代ごとにバラバラであった基礎形式を新設・補強しながら一体的なコンクリートベタ基礎に改修しました。また、増改築のため軸組や屋根が非常に複雑となっていたが、外形をほぼ維持しつつも全体を整理整頓し、新規構造部材を9割以上使って現行法規レベルの耐震性能を確保することができました。断熱も吹付発泡ウレタンを用いて高気密高断熱とし、サッシもすべて入れ替え、住宅としての性能もしっかりと確保しています。間取りも大きく刷新し、日光を遮っていた南東隅部分の納戸と2階のベランダを減築し、南側に大きなワンルームをLDKとして極力日光が入るようにしています。全体的には玄関→水回り→キッチン→リビング→収納→玄関と回遊動線とし、家事の効率向上をはかっていいます。トップライトもLDKと玄関に設置し、お子様が以前の家に感じていた「暗くて寒くて、怖い」というイメージからの脱却がはかれるように設計しています。