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SHOP ムギノワ 2023.08

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主要用途:カフェ&民泊   所在地:三重県桑名市   
敷地面積:454.70㎡   構造規模:木造2階建て   
建築面積:92.94㎡   延床面積:137.03㎡   
竣工:2023年8月   写真:ToLoLo studio   
主要用途:カフェ&民泊   
所在地:三重県桑名市   
敷地面積:454.70㎡   
構造規模:木造2階建て   
建築面積:92.94㎡   
延床面積:137.03㎡   
竣工:2023年8月   
写真:ToLoLo studio   

CONCEPT

 桑名城運河に面する細長い敷地に建つカフェ民泊。前面道路は石畳と東海道桑名宿の気配が残り、昔ながらの店舗が複数残っている場所で、道と反対側の境界は江戸時代に作られた舟運用の人工運河に面しており、石積み擁壁や荷上用階段、備蓄蔵が現存しているなど歴史を感じさせる場所でした。貨物運搬は舟運から車の時代へと移り変わり、建築ファサードは運河側から道路側と変化し、いつの間にか運河側は「裏」となっていました。そこで、水に面する敷地の魅力にスポットライトを当てるため運河に近い奥に建物を配置しました。運河側に向かって建物を開き、室内にいても水面の存在を感じられるようにしたのです。

 一階の半分はカフェエントランス・待合、残りは民泊とし、2階は運河側に片持で迫り出したカフェとなっています。カフェからは運河、桑名城跡が見える景観を最大限楽しんでもらうため、平面を「く」の字型とし、運河側に水平連続窓を設けました。2階に登って振り返ると視界が隣地を超えパノラマ状に広がるように意図しました。
 外観は東海道沿いの周囲にあわせ濃灰色で窓なしとし、1階はピロティーとして「石取祭」時に駐車場と店舗が一体利用できるように考えました。逆に運河側は外壁を白色として開口を最大限確保し、水面で反射する光を受けて室内外とも明るい建築物としました。表裏で全く違った表情を見せるように変化させたのです。

 「運河とともに生活をしていた」そんな歴史を忘れないためにも現代風の茶屋=カフェを2階に設けることでこの建築が歴史をつなぐ役割を果たしてくれることを期待しています。

道路から奥まった運河側に配置
運河側ファサード
屋根部分は将来デッキにする予定
1階軒下ピロティー部分
外から奥が見通すことができる、ひらけた場(運河)がある暗示
1階カフェエントランス部分、運河が見える
2階に上がるとカフェに
カフェエントランス見返し
2階カフェ全景、パノラマで見える運河と景色
運河と石垣と客席
客席全景
近くの神社にならい、左右対称として古くからあるような空間を目指した
1階民泊部分客室
1階民泊部分客室