名古屋女子大学在職中に西垣林業と産学協働連携を行っており、その際に行った同社会議室の木質化プロジェクト。全体設計を福田啓次設計士が行い、岡村ゼミの学生が家具の「演台」と「机」、建築的な部分として「エントランス装飾壁」、「前面装飾壁」の計4か所をデザインしました。よくある無機質な会議室を解体して、大幅リニューアルするのではなく、今ある環境を活かしつつ「木を足す」つまり「ちょい木」をすることで、杉や檜の魅力を感じられるようにというコンセプトで設計を行いました。よって、基本的には天井も床もそのままで、木を足して大きく印象を変えるようにしています。
「演台」は講演や記者会見をする際に演者の前に置く机ですが、一般的には真四角で樹脂板にて仕上げられています。今回は、愛知県産のスギとヒノキを使って女性や若い経営者などに似合う、威厳がありつつもスマートなものを目標に袴をモチーフとしつつ下部を絞ることでスタイリッシュに仕上げました。「机」は天板にアクセントとして杉赤身をライン上に配置し、既製品の脚ライン延長線上に沿うように斜めに剥ぎ合わせました。机を横に並べる際このラインがつながることできれいに机を並べるきっかけになることを期待してのデザインです。「エントランス装飾壁」、「前面装飾壁」は木がもつ柔らかな丸みと、中心に行くほど幅が狭く密になっていく年輪を抽象化し、縦形状と横形状に展開しました。縦形状の「エントランス装飾壁」では会社ロゴを中心に配置し、バックライトを仕込みました。横形状の「前面装飾壁」はベンチと一体化させ、スクリーンと間接照明を組み込んで機能的な役割を果たしています。