共に教員という職業に就き、子供が産まれたばかりという若いご夫婦の住宅。今後の家族構成や生活の変化が不確定で、部屋数などを決めきることができませんでした。そこで1、2階にそれぞれ大きなワンルームをつくり、それぞれの空間の性格を太陽光など環境が良い2階を皆が集まるLDKなどのパブリックゾーン、1階を寝室などのプライベートソーンと大きく分けました。ワンルームの長手方向の両側は家具、収納、階段、トイレといった機能的・構造的にワンルームを支えるコアスペースとし、残りの空間は固定的な壁を置かない自由な空間としました。1階はプライベートゾーンであるため天井が低くし、今後の家族構成の変化に対応できるよう設計した可動の間仕切り兼収納によって自由に区切ることができます。逆に2階はパブリックゾーンであるため天井を高くし、両側の収納からTVを引き出して使えばリビングに、テーブルを引き出せばダイニングにとその性格を変え、家族の部屋として機能します。玄関から2階へ導く階段と、2階から1階へ降りる階段を別々に用意して、家の奥に行くほど開放的で、かつワンルームの周囲を歩き回ることで家族の気配を感じられるようにしました。