30年以上前にミニ宅地開発されてできた袋小路の道路に面する24坪の敷地に建つ二世帯住宅。日影・斜線等の法規制約から最大限の気積が確保できるようにボリュームを決定し、断熱材を柱の外側に張る外断熱としました。それにより壁の間までも有効な空間となり、本棚などに利用しています。構造スパンは見えてくる間柱の455ピッチを基準としており、サッシもすべてその基準に合わせ省力化と効率化を図っています。
3世代が共存する住宅では様々なライフスタイルが交錯し、成長するに従って必要とされる間取りが変化する事が予想されます。そこで、なるべく色々な可能性を維持するために家の枠組みをできるだけ自由にしました。大家族が過ごした「続き間」的な空間をヒントにこの家に合わせた14の小さな部屋(4帖)を作りました。小さな部屋は壁で囲われているのではなく、柱や梁の露出と床材の変化によって大きなワンルームが微妙に分節された部屋となっています。それぞれの単位空間は周辺環境が違うので同じ空間ではありません。季節や時間によって自分の場所を見つけて過ごせるような住宅です。自分の居場所も、家族の居場所も固定するのではなく、引越し続け、変化し続ける家になることを期待しています。