HOUSE 羽鳥の住宅 2013.03

　山を切り崩して作った30戸程度の新興住宅地の一角が敷地。第一種低層住居専用地域であり、建ぺい率50％・容積率80％という厳しい条件であったため最大限の床面積が求められました。1階を最大面積確保し、リビングに吹抜を設けることで総2階のボリュームを確保しました。さらにその吹抜の2階部分に床面積に算定されない家具＝特大テーブルを設置し、壁状の脚で吹抜を分割させました。
　二階は家全体の中心部に大テーブルがあり、まわりに2階廊下、寝室、子供部屋が接しています。個室の扉を開けて部屋の中に椅子を置けば大テーブルが利用できるようになっているのです。さらに天板の上には1.4mの高さ空間があり、ちいさな子供にとっては天板が床にも感じられ、天板の上で遊ぶことが出来るようにテーブル強度を確保するようにしています。
　さらに屋根を90度勾配（矩勾配）とする事で大テーブルの上にも小屋裏部屋としてのロフトが設置されています。
コンパクトながらも様々な床レベルが設定された空間の中で、家族の気配が大テーブルを中心としながら、上・下・左・右で緩やかに全体に広がって、どこにいても気配を感じるような家になることを期待しています。