名古屋の中心部に近い「高岳駅」から徒歩6分という立地の良い築50年のS造集合住宅の大規模改修。一階がピロティー駐車場、2階に3部屋、3階に2部屋というワンルーム賃貸集合住宅であった。大規模修繕が行われていないまま築年数を重ねており「寿命延長とともに、内装・設備・性能向上によって、賃料確保」が命題でした。
そこで、立地の良さよりSOHOや事務所利用を想定した方が賃料が確保できると考え、計画立案を行いました。そうすることで水回り費や内装費が抑えられ、限りある予算を建物性能向上に振り分け、快適性向上を計りました。まずは外壁のクラック補修、再塗装、シール打替、屋上防水という大規模修繕工事は今後の躯体劣化防止のためにもしっかりと行いました。一階ピロティー部分に補強プレートを現場溶接し、地震による瞬時倒壊防止を、内装は全解体後、設備の配管・配線は一新しました。熱橋防止のために発泡ウレタンにより全面断熱を行ない、北側既存アルミサッシの内側には樹脂サッシ・ペアガラスにより二重窓として性能確保をできる範囲で行いました。
本建物名を「DRAFT HOUSE」として内装の半分を土間、壁も取り替え可能なビス止め合板・棚柱を設置して自由にカスタマイズできるようにしています。水回りはシャワーユニットとするなど最低限とし、それらを隠せるようにして住居意外にも事務所に利用できるようにしています。古いものでも丁寧に改修すれば、新たな価値を得て、高賃料が得られることを証明することができました。
