最近の建築の傾向と対策 2009.10
先日、ちょっとした勉強会をしまして、同僚と話していくうちに思った事をまとめておきます。ご意見があれば是非お気軽に!
若手である僕も更に若手の建築家の所作が気になっています。それは毎度、メディアが取り上げるからなのですが、やはり僕とは違った方法論やマニフェストを出すようなアプローチで建築という世界と対峙しているのを見ると、すこし違和感というか、僕とは違うなぁーという感覚がありました。僕はもっと正面から建築を語ろうとしていたのです。(そんな教育を受けてきました)もちろん、何が良いのか、悪いのかは別ですよ。
なぜそんな傾向があるかを考えると、建築というものはどんどんファッション化しているといえるのではないかと。
その理由に一般紙の増加、テレビ番組の増加があると思います。難しい骨太の論理をかざすような建築専門誌ではなく、もっとポップにセンセーショナルに、そして分かりやすく建築を語ってくれる建築家と、フォトジェニックな建築が一般紙では扱いやすいのかもしれません。なぜなら一つの仕事を紙面に割けるのは見開き程度しかないのです。分かりにくい事は編集者は要求しない事でしょう。そして、建築の形のいびつさ、不安定さ、インテリアの緻密さは紙面を賑やかにし、視覚を喜ばします。文章では既存の定説を否定したり、新しい方法論を雄弁に語ることで、一般客、更には違う分野のアーティストなどに注目を浴びようと条件反射的に動いているのかもしれません。
また、ファッションですから変化はめまぐるしく動きます。どんどん消費されていき、どんどん若手の建築家が出てくる中で、皆は作風を固定化するよりも時代の波についていくスピードが求められます。そのためか現実になるスピードが圧倒的に速いインテリアをやる建築家への注目が増えつつあるのもその証明になるのかもしれません。更にはそのスピードに追いつくために建築家自らがメディアを作って最新情報を発信していっているのは、その切迫感がそうさせているのかもしれません。
建築には「確実さ」が必要でした。また建築を語るためにはまず社会や都市を語ってからという風潮があったような気がするのですが、どうもいまの時代はそれらが不要!なのかもしれません。
それよりも、「新しい」ことが重要なのです。物の作り方(方法論)の新しさ、表現(見た目)の新しさ、はものすごい勢いで加速しているのが現状ではないのでしょうか。
「新しい事は良い事だ」
今の時代では現代美術のように建築もこれに当てはまるのかもしれません。