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建築はどこにあるの? 2010.04

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 本日より開催されている建築家による展覧会に行ってきました。

4/29から8/8まで開催(月曜休館) 
10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)
MOMATで行われる四半世紀ぶりの建築展のようですが、図面や模型などがない建築家によるインスタレーションというのが新しいです!
しかも日本人のみで、世界的に活躍する有名ベテラン建築家から僕と同じ歳程度で実績も少ない建築家まで幅広い人選がされていました。
また、写真撮影可能という展示で、観客が撮った写真をflickrで共有するということも試みられているようです。
建築家が模型や図面という武器を捨てて、美術家の作品基準にどれだけ迫れるのか?また、どれだけ建築らしさを残しつつ、なんちゃって美術にならないようにするか、これは見る方としては非常に興味があるところです。しかも国立美術館での開催となるときっと出展者の皆さんは力が入らざる得ないプレッシャーがあった事でしょう。(鈴木さんはとっても嬉しそうでした!)
美術の展覧会の場合は既に制作し、評価も定まっている作品も展示しつつ新作が数点あるというパターンの為、そこまでのプレッシャーはないと思います。しかし、今回の建築家は当然新作かつ慣れている訳でもないので、きっとどきどきだった事でしょう。(塚本さんは慣れているからなのか、力の抜け具合が最高でしたね!)
さて、展示内容なのですがそれは行ってのお楽しみです。まず、足を運んで下さいませ。
といっても、テンションが上がらないのでしょうから、行きたくなるようなお勧めをいくつかご紹介しておきます。
まずは中村竜治さんの作品(とうもろこし畑)です。(写真1)
これが一番美術館に展示がしてあって違和感がない印象を受けました。美術と建築の間をうまく付いているところがです。
新作とはいえ、今までの作品の延長線にある展開でした。大きく違うのはスケールで、今までの作品が「もの」だとしたらここでは「くうかん」に進化しています。
見る位置、方向、距離によって変化する「地道な努力が莫大に集積した立体」は子どもから大人まで楽しめる素敵な作品となっています。キュレーターが一番最初にもってきたいと考える作品の安定感は抜群でした。
(写真1)クリックすると拡大します。
次は内藤廣さんの作品(赤縞)です。(写真2)
この作品は体験するよりも見る方が圧倒的に楽しいので、友人にダンサーとかいたら連れて行って頂き、勝手に踊って頂けるととってもとっても素敵になると思います。
そんなことは当然作者の内藤さんは織り込み済みでして、昨日はダンサーによるパフォーマンスもありました。圧倒的に美しいです。人間等高線を体験して来て下さい!
(写真2)クリックすると拡大します。
最後に生意気言わせて頂ければ残念だったのが伊東豊雄さんの作品(うちのうちのうち)です。
僕の勝手な想像ですが、かなりのプレッシャーがあったのかもしれません。
最近伊東さんが手がけられているグリット(碁盤の目)による建築から脱却し、新しい幾何学から建築空間を生み出せるのか?というすばらしい試みが展示されている普通のミニ展覧会になっており、インスタレーションになっていなかった気がしました。もちろん展示されている空間は現在伊東さんが設計されている新しい幾何学で出来た空間なのですが、展示がある為にその空間を体験するというよりも展示を思わず見てしまうのです。つまり、体験している空間のよさが展示がある事によって薄まっていると感じたのです。そして制作に費やす労力も展示品に大幅なパワーをとられ、空間そのものへの労力があまり掛けられていない感じも残念でした。
もっともっと新しい幾何学が織りなすであろう空間の魅力を最大限楽しませてくれる空間づくりだけに集中して頂ければ誰もが伊東さんに抱く期待を裏切らなかったのではないかと思ってしまいました。ただし、いま伊東さんが挑んでいる新しい建築そのものが十分に刺激的で美術的なのですが。
というわけで、連休中に天気が良い日はぶらり散歩しつつMOMATに行ってみてはいかがでしょうか?
子ども連れの人から建築マニアまで楽しめるのでとてもお勧めですよ!

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