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四川省 成都の建築など 2014.08

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JUGEMテーマ:日記・一般

先日まで中国四川省に1週間行っておりましたので、そのメモをいくつか。
四川省の省都は成都です。「せいと」といってもこの発音が通じる訳でもなく英語表記だと「chengdu」でして、カタカナで無理矢理表記すると「チェンドゥー」です。
地図で見ると随分と内陸なのですが、日本からの直行便ですと5時間程度です。今回で三回目なのですが、もうすごい勢いで都市が広がっております。スプロール現象を実感!まず地下鉄が3年前は南北の1本だけだったのですが、東西にもう一本できており、3号、4号とどんどん建設中でして将来計画ではかなりの本数ができそうです。南北地下鉄の一番南の駅は3年前はほぼ空き地だったのですが、既にビルがどんどん生え終わり、さらに南へ南へビルの増殖は続いておりました。こちらは24時間工事中で夜中でも関係なくコンクリートは打設していますし、ガンガン工事をやっているので、その工事の進捗はすごいスピードで、なんだかちょっと信じられない感じです。
さて、成都には有名建築家の巨大な作品があちこちにありました。
ポールアンドリューはこの作品、
スティーブンホールはこの作品です。

建物で人工地盤の中庭を取り囲むようになっています。

中庭です。3層ぐらいまでショッピングセンターです。

中庭の池の底にはショッピングセンターの吹き抜けに連動したトップライト

中庭全景
どちらもすごい規模なので、圧倒されます。しかも似たような設計を中国の他の都市でも作っているという共通点も面白いものです。
一度やって成功すると次々にお声がかかるという事なのでしょう。
そんな外国人建築家以外に成都で働かれている永岡さんに紹介してもらった地元の建築家(Liu JiaKun)設計「水井坊博物館」にも行きました。ただ、時間的に夜だったので(日本よりも随分と日が長いです)外観だけですが、それでも十分に堪能できました。「水井坊」という白酒ブランドメーカーの昔からあった製造所をリノベーションしたものと、すこし新築を増築して内部を博物館化したもののようです。(製造はまだしているようでして、その製造風景も含めて見学ができるようです。塀の外でもすごい発酵の匂いがしました)
素材感があるオリジナルの黒いレンガ(四川地震で出たがれきを混入して作っているようです)を使いながらもスッキリとしたモダンな表現をしており、自分たちが日々やっている世界と同じ匂いがしました。中は入れませんでしたが、質の高い空間が実現されていそうな感じがしました。

エントランス。スラブが薄い。

左側はリノベーションした製造工場

階段室がガラス張りの外側にルーバーとなっています。煉瓦はオリジナル。
その近くをぶらぶらしていたら最近出来たと思われる「成都兰桂坊」というショッピングモールがありました。
上空からみるとこんな感じです。初日に泊まったホテルがわりと高層だったので、窓からこれが見えたので、何なのか気になっておりました。
詳しくはよくわかりませんが川に沿ってできたショッピングモールで、分棟形式で低層(2階建て程度)の店舗がジグザグな感じで配置されていました。それらの建築群をつなぐように地上10メートルぐらいの高さに大きな屋根がこれまたジウザグな感じでかかっているのです。膜なのか分かりませんが、蜂の巣の部分はポリカボネートのような感じでして、既に中が汚くなっていましたが路地のような道が沢山あり、ショッピングしながら歩くにはなかなかおおしろい設計でした。屋根と建築物がそろっている訳ではないので、所々空が見えたり見えなかったりしており日本でもこんな開発はありそうでないなぁーと思いつつ奥に入ると、そこには新築で作られた昔の伝統的な家が再現されており、工事中でした。
中国は全ての建物がほぼRCなのですが、伝統的な物という事で外観からみると木造とみえるような工夫がされています。スケルトンだけが出来ている感じで内装(インフィル)がこれからという段階でした。中国で面白いのは出来たところから順次オープンしていくところで、大屋根のかかる川沿いの現代的な建築群はおしゃれなお店が既にオープンしており、お客さんも入っており盛況でした。

屋根が全体を覆っています。

こんな感じで左側はすぐ川です。右奥が下記の旧町並み再現ゾーン

旧町並み再現ゾーン
最後に成都の南側の新市街地に出来た巨大な商業施設「新世紀環球中心(  New Century Global Centre)」は、世界最大の面積を誇る単体ビルのようです。高さは100メートル、長さ500メートル、 幅400メートルで東京ドーム38個分という大きさのようです。どうやら建設期間が一年未満らしく中国の勢いを感じざる得ません。なかなかこの不自然な巨大マッス感を表現できませんが、遠くから見るとその巨大さに目を疑う感覚があり、二度見すること確実です。牛久大仏を見た時と同じ感じです。
中にはスケートリンク、プール、映画館、ショッピングセンター、ホテルなどがありました。
内装もこれまたきらびやかでしてメインエントランスを入ると吹き抜けの中に金色のエスカレーターが吹き抜けにどーんと配置されていました。そのエスカレーターで上に登ると「心臓の弱い方はご遠慮ください」という表記があったので、何だろうと見るとブリッジの床が透明になっていました。もう、なんだかすごい感じです。面白い物を見たという感じでして、きっと生涯このスケールの単体建築に出会う事はない気がしますね。上空から見るとこんな感じです。
ちなみに、この敷地の道路はさんで反対側がザハ設計のアートセンター建設予定地ですが、工事をしている雰囲気はありませんでした。

大きさ分かりにくいですがほんとでかいです。

メインエントランス入ってすぐの吹き抜けロビー
上記の「新世紀環球中心」付近には沢山のオフィスや集合住宅があるのですが、デザイン的には日本のマンションよりも質が高いと感じました。施工レベルは発展途上ですが、室外機がきちんと隠してあるようなデザインだったり、ベランダの半屋外空間の扱い方など、同じ設計者として大変参考になるところが沢山ありました。

3年前に来たときもそうだったのですが、成都はまだまだ成長をすごい勢いで続けており、日々の風景が刻々と変わっていっていました。その雰囲気というかグルーブ感を肌で感じることができた気がしています。

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