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リゾナーレ小淵沢 2004.09

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山梨県の小淵沢に倒産した「マイカル」の全額出資子会社が運営していた(会員制)「リゾナーレ小淵沢」(1992年)に泊まる機会に恵まれました。2年ほど前に軽井沢の老舗ホテルの「星野リゾート」に25億で買収され、一般利用客も利用できるようになったので、昔から行きたかったマリオベリーニの建築を体験することができたのである。バブルの申し子のような建築・施設で200近い客室、屋内プール・スパ、音楽ホールなどを有する巨大なリゾート施設です。星野リゾートによりどんどん施設を作ったりいろいろと工夫を凝らしているのでちょっとリッチな気分を味わうためにもおすすめの場所です。KDAのチャペルも見学してきました。
雨だれがひどく、夜景も長時間露出の写真とは違っていたのでちょっと拍子抜けしましたが、あの敷地にすっぽり納まり、客席のイスのアクリルに挟まれた模様がとてもきれいでした。
マリオベリーニは現在70歳近い建築家でもあり、プロダクトデザイナーでもあります。五反田にデザインセンター、横浜の天王町にあるビジネスパーク内にベリーニの丘など日本にもいくつか建築を作っています。昔住んでいた所から歩いて10分程度の所にベリーニの丘があり、そこを同居人に連れられていったときに感じた建築のチカラを僕は忘れないでいるのです。
おもにコンクリートを用いており、質感を大事にしながら幾何学的な形態の構成によって空間を作り上げています。柱や壁も大きい固まりであればある程良いというようにどっしりと静かにたっています。今のはやりの建築の特徴としてデティールを消去し、なるべく軽く、軽快にという方向とは正反対に力強い線で空間を分割しているのです。建築という舞台があり、人間の存在は小さく見えるほどおおきなものとして感じられるスケールをベリーニ建築は持っており、いつのまにかぼーっと周りを眺めてしまうような気分にさせられます。きれいな建築ばかりを見ていた僕にとってはとても新鮮で建築がもっているチカラの一端を見せてもらえた気がしたのです。
まあ、そんなわけでリゾナーレに行ってきました。
よくCMにイタリアの町並み風ということで使われるそうですが、町並みのように小さな3階建ての建物の中に客席が配置されており、平面的に長く建築が分散的に配置されています。外壁に赤など色を使ってはいるのですが非常に上品で嫌みがありません。
僕の事務所に近くにできたマンションはその正反対で色づかいがどぎつく建築ばかりが自己主張しており、周りを殺そうとしているちょっと困ったデザインなのですが、その違いをまざまざと思い知らされます。
人工的な形態としての幾何学、反復・連続する開口部や柱、どっしりとした質感、そうした力強い塊のコンクリートによって自然が切り取られ、対比的に空や緑が美しく見えてくるのです。それらのスケール感が大きいことで人間である僕がなんだか小さな感じがしてくるし、ちょっと立ち止まりたくなる感じにおそわれるのです。安藤忠雄のてかてかのコンクリートではなく、ざらざらとするコンクリートは僕をすこし今の流行とは違う建築の質を感じさせてくれました。古びてもそれなりに味がでているというのも最近の建築にはなかなかないかもしれませんね。
よかったら是非訪れて自らの5感で感じてください。
建築は行ってみてなんぼですから。
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