HOSPITAL 長浦マリン歯科（増築） 2024.06

既存歯科医院が業務拡大につき、西隣の敷地に増築する部分を設計しました。既存棟はハウスメーカー（HM）により5年前に出来上がっており、新たに増築された部分が違和感に感じないよう、元々そこにあったかのように増築することが求められました。
駐車場が増築部に必要だったこともあり、既存棟から雁行配置をしながらセットバックをしていくような平面配置としました。既存棟の外壁タイルはHM独自の特注タイルであり、同サイズのものを探し出して、採用しています。しかしサイズが同じでも表情が違うタイルが隣り合わせると差異が目立ってしまいます。そこで、既存棟と接する部分は違う大きさとツヤの違うタイルに、ボリュームが突出するところは色や形を変えるなどタイル選定を注意深く行いました。また、既存棟の構造はHM独自の軽量鉄骨造であり、柱、梁型がインテリアに出てこない木造のような空間となっていました。そこで増築部は重力鉄骨のブレース構造として構造部材を小さくすることで既存棟と同様な凹凸のない空間とし、違和感なく連続するようにしました。

従業員平均年齢が低く、さらに女性が多い職場とのことでスタッフルームの内装ではポップな色使いを希望されました。そこで2階の大きなワンルームの領域を緩やかに分ける役割を色に持たせることにしています。具体的にはドクタースペースとその他の区別は床のタイルカーペットで、水回りとその他は壁のクロスで分けています。階段から3階に上がると色のトーンを2階より落とし、落ち着いたシックな色味に変化させています。照明の色温度も1階から徐々に落とし、2階は3500K、3階は3000Kにして空間の質を徐々に変化させ、落ち着く空間にしています。

寡黙な増築として、地域の皆様に愛される歯科医院となってくれることを期待しています。

なお、一階歯科医院部分は株式会社 イズムの設計施工です。